不特定多数の人が利用する建物、又は公共性のある建物である特殊建築物等は、構造の老朽化、避難設備の不備、建築設備の操作・作動不完全等により大きな災害が発生するおそれがあります。そして、そのような災害が怒ってしまっては大変です。このような危険を避け、安全性や適法性を確保するため、定期的に専門技術者に調査・検査させて、その結果を報告するよう定めております。これが「定期報告制度」であります。
建物の安全性を確認する日常の管理や定期点検は、建物の機能や性能を把握し、劣化の状態を予測することにより異常な兆候をできるだけ早く発見します。そしてそれによって事故を未然に防ぐことができます。また修繕費も最小限にとどめることができます。建築基準法(第8条)では、建物を所有、管理又は占有されている方にその敷地・構造・建築設備を常時適法な状態に維持することを求めており、必要に応じその建築物の維持保全に関する計画を作成しなければならないことになっています。人々が安心して生活出来るように配慮された制度でもあります。
特殊縦物とは、建築基準法第2条に規定されている用途の建物、病院、ホテル、学校等のように不特定又は多数の人が利用する建物の事を言います。または、防災上、環境衛生上、周辺地域に大きな影響を与える建物、それらの総称です。多人数を収容する建物は、その建物の構造、建築設備、避難施設等の不備欠陥により大きな災害が発生するおそれがあるもので、特に防災上の注意や安全が必要です。建築基準法では、建築物の安全性の確保と適正な維持管理を図り、事故の発生を未然に防止するため、これらを建築技術上、専門的に調査し、報告することを義務づけています。